巨人vs広島、隠し球で広島勝つ

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巨人が自滅し4連敗を喫した。広島戦の同点で迎えた7回1死二、三塁と勝ち越しチャンスで、二塁走者の阿部慎之助捕手(28)が隠し球でまさかのタッチアウト。試合の流れを相手に渡すと、9回に豊田清投手(36)が痛打を浴びサヨナラ負けした。2位中日は阪神に完封勝ちし、巨人と1ゲーム差に迫った。阪神は連勝ストップで小休止。16日に巨人が敗れ、中日が勝てば首位の座が入れ替わる。

 まさかのプレーだった。1−1の同点で迎えた7回1死二、三塁のチャンス。二塁走者の阿部がベースから離れた瞬間、二塁手の山崎に背後からタッチされた。隠し球でアウト。阿部はキツネにつままれたような表情を浮かべた。押せ押せの勝ち越しムードが、一瞬にして向かい風へと変わった。

 投手のボークを訴えた原監督の抗議は実らず、2死三塁から試合は続行された。この後、好投していた先発高橋尚に代打矢野を送って勝負をかけたが、空振り三振。この時点で勝利の女神に見放されていた。試合の流れを渡したばかりでなく、屈辱的なプレーを引きずったまま戦い、9回には豊田が痛打を浴びサヨナラ負けした。

 阿部は「セカンド(広島山崎)が近くに来たな、とは思っていたけど…。オレのボーンヘッド。怠慢プレーと言われても仕方がない。申し訳ない」と肩を落とした。走者の阿部だけではなく、ボールの位置の確認をしていなかったベースコーチの責任も大きい。三塁コーチの伊原ヘッドコーチも「一塁と三塁のコーチの責任です」と、基本的なミスを反省した。

 試合直後にはベンチでコーチ陣だけで緊急ミーティングを行い、同じことが起こらないよう確認した。原監督も現場を預かる責任者として、「巨人のユニホームを着ている全員が(隠し球を)分からなかったわけだから、フィールドにいた人間だけを責めることはできない」と強調した。

 ミスが象徴するように戦い方がチグハグだ。前夜は打線が6点を奪いながら投手陣が踏ん張れず、逆転負け。連敗ストップへ中5日先発で高橋尚を送り込んだが、勝てなかった。このダメージは大きく、投打の歯車がかみ合わないドロ沼が続いている。

 最下位広島にまさかの連敗を喫し、4連敗。2位中日は1ゲーム差に迫り、16日にも首位から陥落するピンチだ。原監督は「結果的に負けが続いているけど、切り替えてやっていくしかない。まだまだこれから正念場がくるわけだから。毎試合毎試合、熱く戦っていくということ」と言い聞かせるように話した。隠し球ショックから立ち直る特効薬は白星しかない。【広瀬雷太】

[2007年8月16日9時54分 紙面から]

参考動画

こんなこともあるんですねぇ。初めて知りました。